2018年に読んでよかった本
はじめに
趣味はなんですか,という質問をされたとき,だいたい困っています。
というのも,わたしはおそらくそのへんの人間の何倍も飽きっぽい人間で,いわゆる「趣味」とかいうものは,どんどん移り変わってしまうからなんですね。趣味と言うべきものはおそらく1年もてばいい方で,ひどいと数ヶ月とかで興味の対象は他へと移り変わっていってしまいます。趣味っていうのは,長い間続けてきて,それなりの技能を有しているべきもの,みたいな謎の思い込みがあったんです。
でもよくよく考えてみると,そんなわたしでも,なんだかんだずっと続いているものがあるんですね。それはおそらくこの「ブログ」と,もうひとつは「読書」。このブログができてからもう何年も経つし,今までの読書の記録は 読書メーター にずっと記録してあります。記録を見てみると,この記録は2010年8月からつけられていて,なんともう8年にもなっていました。これはいよいよ「趣味」と読んでいいものなのかもしれない。
読書
そんなわけで,記録上は8年の間ずっと読書をしてきたことになります。
とはいえ読むペースはそんなに速くはないです。さいきんはおそらく1ヶ月に1冊読めればいい方ですね。これも先に書いた「飽きっぽい」というのにも関連していて,だいたい1ヶ月に一度くらいは「うおー本読むぞー」みたいな時期が訪れて,それで読むけれど,またすぐ飽きてしばらく本を読まなくなる。だいたいそんなことの繰り返しです。
まあでも本はたくさん読めばいいというものでもないし,そんなに読んでなくても「これだ!」というお気に入りの1冊に出会えたら,それはとてもいいことですよね。そんなこんなで,だいたい評論系の本を多く読んでいます。
ブログ
ブログはもっともっと期間が長そうです。「うおーブログ書くぞー」みたいなのがたぶん数ヶ月に一度くらい訪れて,それで書くけれど以下略,といったようなところです。
さいきんはインターンシップのことしか書いていなくて,それなりにブックマークとか☆とかが稼げてよかったです。でもやっぱりわたし自身としては,もっともっとこうエッセイっぽくというか,あんまりインターネットっぽくない文章を書きたいという思いは今もあるんです。
評論系の同人誌の執筆に関わらせてもらったこともあるし,このブログの過去の記事(かなり頭を抱えたくはなりますが)を読むと,やっぱりそういう記事の方がわたしらしいんじゃないかな,と思うんですね。
思い返してみると,どうやら「これだ!」っていう1冊に出会ったり,大きく人生の転機が訪れたりした頃に,ブログ記事を書いているようです。そのたびごとに文体が少しずつ変わっていて,なんかちょっと微笑ましくもあるのですが,本質的に頭を抱えたくなるというのは変わらないですね……。
「読書」がインプットだとすると「ブログ」はアウトプットですよね。そんなわけで,読んだら書きたくなるものです。この2018年でどんな本を読んできたらこういう文章を書きたくなるのか,ちょっと紹介してみようと思います。(いきなりインターネットっぽくなる)
読んでよかった本
というわけで,ここからは今年読んだ本をちょっと紹介してみようと思います。だいたいの本は,読書メーターにも感想が書いてあるので,興味がある方はそちらも参考にされるとよさそうです。
2018年は16冊の本を読んでいました。だいたいオススメ順です。ちなみにアフェリエイトとかは設定してなくて,単純に私がオススメしたいだけです。
ぷしゅ よなよなエールがお世話になります
- 作者: 井手直行
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/04/08
- メディア: 単行本
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めちゃよかった。よなよなエールを作るヤッホーブルーイングが,様々に奮闘しながらどうやってファンを獲得し,トップのクラフトビールになったのかという本。途中でマーケティングやチームビルディングの重要性について詳しく書かれていたのがよかった。決して順風満帆というわけではなく,先人たちの知恵を学びつつ,じぶんたちにしかない個性を出していくというのがかなり印象的だった。そしてそうすれば根強いファンが生まれ,ちゃんと売れていくんだなあと思った。今後もよなよな飲み続けそうです。単なる成功体験じゃないのがよかったですね。苦悩とか,しんどかったことかもちゃんと書かれていた。
史上最強の哲学入門
- 作者: 飲茶,板垣恵介
- 出版社/メーカー: マガジン・マガジン
- 発売日: 2010/04/14
- メディア: ムック
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史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち (河出文庫 や 33-2)
- 作者: 飲茶
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2016/10/05
- メディア: 文庫
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飲茶さんの本。色々な哲学者の思想を,とてもわかりやすい例とともに示してくれる本。真理,国家,神様,存在 という4つのテーマに分けて,ほぼ時系列に人類の思想がたどっていった様子を知ることができる。ふだん何気なくやっている社会の仕組みや,歴史上の制度,果ては日常におけるものの考え方まで「たしかにこうだよなあ」という根底みたいなものが次々と出てきてとても楽しかった。これを読むと歴史観とか学問観もがらっと変わるのかもしれない。
ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち
ニューエリート グーグル流・新しい価値を生み出し世界を変える人たち
- 作者: ピョートル・フェリクス・グジバチ
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2018/02/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今までの社会での生き方は必ずしも正解ではなくて,こういう生き方もあるよということが書いてある本。よくある自己啓発本に終わらず,ことあるごとに筆者やGoogle内での事例が紹介されるので説得力もあってよかったです。じぶんも就活で少し悩むことがあったけど,選択は間違ってなくて,ここからじぶんの手で道を切り開いていこうという気持ちになれたのでよかったかな。よくあるGoogleサイコー本じゃないのもよかった。
宇宙に外側はあるか (光文社新書)
- 作者: 松原隆彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/04/20
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宇宙に外側はあるか、という問を元にした宇宙の存在についての本。かなりわかりやすく書かれていて、他の著書で???となっていた部分についてもつまることなくすいすいと読めていけてよかった。多世界解釈や人間原理などは我々の直観には反するが、正しいとされていること、そうではないことをきちんと書き分けてくれているため読みやすかった。現代物理学をかじるための良本。普通におもしろかったと思います。宇宙系の本はだいたい数ヶ月に1冊くらい読むことにしているんですが,これなら 宇宙はなぜこのような宇宙なのか とかの方がわくわくしたような気はする。
おわりに
だいたいこんなところです。今年はあんまり本を読めなかったので,来年はおもしろい本に出会っていきたいところですね。だいたい評論しか読んでこなかったので,そろそろ小説とかにも手を出していきたい。