たいむかぷせる2

何年か後に見なおして頭を抱えてくなるものたちのあつまり

スマートウォッチを買って変わったこと

 

そういえば少し前にスマートウォッチを買いました。常に身体に身に着けて使う,いわゆるウェアラブルバイスというやつです。
ちょっとお金に余裕があったから買ったので,それほど期待していたわけでもなかったのですが,なんだかんだ日常ががらっと変わったので,ちょっとそれについて書いてみようと思います。

Pebble Time 

 つけているとよく「それApple Watch?」と聞かれるのですがそうではなく,Pebbleという会社が出している「Pebble Time」というスマートウォッチで,Apple Watchに比べるとかなり安いのが特徴です。だいたい12,000円くらいでした。使い方や特徴についてはあとで詳しく書きますが,ざっくり言うと「スマートフォンの通知を受け取れる」ものです。

デザインから高級感あふれるApple Watchと違って,見た目も少しチープです。

主な特徴

  • iOS, Android双方で使用できる
  • バッテリーのもちが非常にいい
    • 通常使用でも5~7日くらいもつ
  • 通知を振動で教えてくれる
  • カレンダーの閲覧・リマインドができる
  • ライフログのデータを取得できる
    • 歩数・睡眠時間など

大体こんなところです。夢のようなデバイスかと思いきや,できることは意外と多くはありません。Bluetoothスマートフォン本体と接続して使うので,スマートフォンがないとただの時計と同じです。
ぼく自身も,コレがものすごく必要だから買ったというよりは,多少お金も余っていたし,前々から興味はあったから買ってみるか,といったようなところです。

スマートフォンは高性能すぎる

スマートウォッチを買ってから,このことをよく考えるようになりました。
選択のパラドックスのような話にもなりつつありますが,現代において我々は,常にたくさんの情報,選択肢にさらされて生きています。特にスマートフォンやラップトップPCなんかが,それを実現してくれますよね。
でも,常にあらゆる情報を入手し続けることが果たしてしあわせなのかというと,そういうわけでもなさそうです。それまでは,なにか別のことをしていても,常にスマートフォンやその通知が気になってしまっていました。特に通知は来ていないけど,なぜだかスマートフォンを見てしまって,集中は途切れるし,無駄な時間は使ってしまうし,という感じでした。まさに情報に踊らされてしまっている感じです。
どうやら,

  • 常につながっていたいということ
  • そこからあらゆる情報にアクセスできてしまうこと

この2つが原因であるみたいです。

「すべて」の情報を「常に」受け取る

スマートウォッチは,スマートフォンに来る通知を基本的に「すべて」受け取ることができます。そしてそれは基本的に「常に」左手に身に着けているものです。これって一見すると,スマートフォンと変わらないじゃないか,と思うかもしれません。でも,使ってみるとわかるのですが,それらは異なる体験でした。
「『すべて』の情報を『常に』受け取る」ということは,見逃す心配がない,ということだからです。スマートフォンが少し身体から離れているだけで不安で, なにも通知なんて来ていない はずなのにスマートフォンを見てしまっていたあの頃と比べて,無駄にスマートフォンを見ることは減りました。
また,「すべて」の情報を「常に」受け取る生活を続けていると,ぼくらのスマートフォンに届く通知のうち「本当にすぐ見なければ,返答しなければいけないもの」は本当に少ないことに気づきます。ほとんどの情報は放っておいたってよく,とりあえず届いていることさえ確認できればよいのです。そのためにはブルっと来たら手首をチラッと見ればよいだけで,作業を中断する必要はありません。
すべての情報を常に受け取ることで,情報に縛られなくなるというのは,かなりびっくりしたところでした。スマートフォンを見る時間は,明らかに減ったと思います。

必要最低限である,ということ

先にも述べたようにPebble Timeはかなりチープで,できることは限られています。Apple Watchと比べても,タッチパネルではないし,液晶も電子ペーパーで解像度も低く,マイクだってありません。でもそこがものすごくうまく作ってあるところで,それで十分なんですよね。
電子書籍スマートフォンではなくタブレットで見るように,テキストメッセージの返信はスマートウォッチではなくスマートフォンで行います。最近ではノートブックがタッチパネルを備えてタブレットに近くなったり,スマートフォンが大型化してタブレットに近くなったりと「なんでもできる」デバイスが増えているように思います。
でも,ウェアラブルバイスに対してはその「なんでもできる」ということは必ずしもいいことではありません。腕時計の小さな画面を見るくらいなら,さっとカバンやポケットからスマートフォンを取り出した方が快適だからです。常に身につけておくのは,本当に「最低限の機能」でよいのです。
Pebble Timeはその「最低限の機能」により,常に画面がついているにも関わらず,フル充電で5~7日というバッテリーの保ちを実現しています。Apple Watchは腕の上げ下げを判断して画面をつけたり消したりしますが,「時計」と名がついているのに常に時間が表示されていないというのも,なんだか変な話ですよね。

ウェアラブルであるということ

はじめて買ったウェアラブル(=常に身につける)デバイスが,ここまで生活を変えてしまうとはあまり思っていませんでした。けれど,これからの世の中は,もっともっとウェアラブルな方向に動いていくことでしょう。今までのような「オールマイティーなデバイスを1つ持つ」というのではなくて「特化したいくつものデバイスに囲まれる」という生活が,これから始まるのかもしれません。
ウェアラブルであるということは,意識せずに情報をやり取りできるということです。まさに情報をまとうかのように,じぶんに必要な情報を得たり発信したりできる世界も近いのかもしれません。
また今回は「情報を得る」ことを主に書きましたが,身につける「センサ」としてのウェアラブルバイスの機能も注目すべき点です。活動,歩数,睡眠,脈拍なんかをトラッキングして,なんらかの形で可視化し,ぼくらの生活に指針を与えてくれるかもしれません。
そんなわけでスマートウォッチ,おすすめです。