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たいむかぷせる2

何年か後に見なおして頭を抱えてくなるものたちのあつまり

iPhoneを電車の中に置き忘れた話

 はじめての家庭教師アルバイトを終えて疲れていた僕は,遅い各駅停車から速い急行に乗り換えるときに車内にiPhoneを置き忘れてしまいました.iPhoneを忘れたのは乗り換え後の急行電車内.僕は非常に忘れっぽくて(色々とご迷惑をおかけした皆さん,本当にすいません)こういうことは1回目ではないのですが,やっぱり焦ります.しかしiPhoneがないことに気づいたのは最寄り駅の1つ手前の駅でした.
 1つ手前の駅でまず焦ります.忘れたと思ってカバンの中を探したら実はなんてことはない,いつもとは違うところに収納していたとか,カバンの奥底にぽっと入り込んでしまったとかいう経験は多いと思います.コレは忘れたなと思って必死にカバンの中を探すのですが残念ながら見つかりません.この時点で心臓はすでにバクバクで,電車の中に忘れたのだという結論は導けたもののそれ以上どうしようもなく,最寄り駅に着きました.
 最寄り駅に着いた僕は,半ばパニックになり脳内ではひたすら「やばいやばいやばいやばばばばbbbbbbb」とかいう声が聞こえつつも必死で自分を落ち着け,MacBookを持っているということに気づくに至りました.(別にアップル商品の宣伝をするわけではないのですが)iPhoneには「iPhoneを探す」という割と便利なアプリケーションがついていて,GPS経由でiPhoneの位置を測定することができます.某ハンバーガーショップの前ならWi-Fiが届くだろうと,そのあたりに行ってMacのディスプレイをパカっと開きました.
 焦りに焦ってパスコードを2回も間違えつつもブラウザを起動してGoogleに「iCloud」と入力し,iPhoneを探すのWebページに辿り着きました.これは余談なのですが,もしもこの前の僕のようにiPhoneを探す必要が出てきてしまった人は,なんでもいいのでインターネット接続が可能なPCを用意して上記のように検索すると,iCloudアカウントを入力し認証することでそのようなページに飛ぶことができます.きちんと不測の事態に備えられているのです.まあそれはいいとして,震える指でiPhoneの現在位置を確認すると,最寄り駅の次の駅上で緑色ボタン(位置情報を取得可能)が点灯しました.
 全力でガッツポーズをしつつほおっとため息をつくのですが,iPhoneの現在位置がわかってもそのものを物理的な手段で回収しなければならず,この安心もつかの間です.iPhoneが駅上で探知されたことから足りない頭で僕は推理をし,「電車に乗ったまま移動しているのでは?」という仮説を打ち立てます.それならば駅員さんに連絡すればなんとかなるだろうと思い,ドタバタと係員室へ駆け込みました.
 かくかくしかじかiPhoneをなくしたと伝えるのですが,どの列車のどの場所に忘れたのかを正確に伝えなければならず,非常に困難でした.たぶん各駅停車に忘れただろうと思って,なんとか時刻表を見せてもらって時間はわかったのですが,はじめての路線ということもあり如何せん座席位置の特定が手間取りました.乗り換えた時の某駅ですぐ階段が見えたとか信頼できるとも言いがたい情報を頼りになんとか座席位置も暫定で調べてもらい,サーチをかけてもらいました.10分後あたりに到着する割と大きな急行停車駅で調べてくれるそうです.
 そういえば前に地元の名古屋鉄道で忘れたときは,いちおう座席位置は伝える必要がありましたが,連絡を受けるとすぐに車掌氏が列車内をサーチしてくれて,すぐ連絡があり,なおかつ最寄り駅まで電車に乗せて運んでくれるという神級の優しさでした.別に今回忘れた某鉄道に文句を言うわけではありませんし,東京は人が多いですし,そんなのは忘れた僕が1番悪いのですが,こういう忘れ物常習犯にやさしい鉄道会社もあるんだよということはとりあえず書いておこうと思いました.
 おもむろに再びMacBookを開いてiPhoneの位置を確認すると,あろうことか,次の駅を少し離れた住宅街の中で緑色ボタンが点灯していました.電車の中のままだろうという僕の予想は残念ながら外れていたのです.駅員さんに丁重に捜索を中断するようお願いしました.僕の頼みの綱は切れてしまいました.そこでもう1度パニック派が訪れ「やばいやばいやばいやばばばばbbbbbbb」となるのですがやはりどうしようもありません.そこで僕のパニックは今思うと何をトチ狂っていたのだとしか思えない行動を取るのでした.
 僕が押したのは「サウンドを再生」というボタンでした.コレ使ったことある人はわかると思うのですが,この機能のコンセプトは要するに「部屋の中でなくした携帯電話に電話して着信音でサーチする」というものです.マナーモードだろうがなんだろうがけたたましい音がiPhoneから鳴り響くので,そのような用途であれば全く問題はなく,むしろ助かるいい機能なのですがその時の僕はやっぱり今考えてもおかしかったです.そのボタンを押しました.
 押した後すぐに我に帰り「いかん!これはいかん!」と気づくも時すでに遅し,1度「サウンドを再生」を押したら最後,その要求を取り消すことはできません.案の定,もっとも恐れていた自体が起こりました.僕のiPhoneを示すボタンが,緑色ボタンから灰色ボタンに変わったのです.灰色ボタンはGPS位置取得エラーまたは,iPhoneの電源が切られている状態を示します.この灰色ボタンが後者を示しているということは,あまりにも明らかであったのでした.
 電源が入っていなければどうしようもなく,せっかくの最新技術も使えず,泣き寝入りするしかありません.僕のiPhoneを拾った人が実は悪い人で,電源を切って初期化し,ブックオフなどに白ロムとして売り飛ばしてしまうのか(かなり新しかった),お母さんお父さんごめんなさいなどと考えつつ,半ばあきらめモードに入っていた僕に,一筋の希望の光が差し込みました.
 再び位置情報を特定できるようになったら通知する,というチェックボックスをダメ元でオンにしていたのに救われました.そこはその駅の近くの大きな公園の横の小さなアパートでした.5分くらい経ってもiPhoneは移動することはないので,どうやら僕のiPhoneを拾ってくれた方はそこにいるらしいとわかりました.完全に拾ってくれた方を悪者だというレッテルを貼っていた僕は,そこの位置情報をメモして自転車凸まで考えていました.今思うとそんなことをしても部屋番号は特定できず,なんの意味もないただの迷惑少年(そろそろ青年かも?)でしかないのですがコレもパニックのせい,ということにしておきましょう.しかし,僕は最も気づかなければいけないポイントに気づいていなかったのです.
 あ,そういえば,2台持ちだった.
 ピコン!と脳内に電球の光が灯ったかどうかはわかりませんが,また1つ方法が生まれたのです.なんとか電話をしようと思うのですがここで問題発生,2台持ちiPhoneの電話番号がわからない!それもそうですよね,もともと電話をしない上に,それがもう1回線あっても使いませんもの.友達や家族から聞こうにも,連絡がつくつかない以前の問題で,電話番号すら教えていませんでした(・ω<).2台持ちとは何だったのか.
 募るぐぬぬ感に耐えつつも,ここでやっと解決策となる発想が生まれます.電話がダメならメールがあるじゃない!もともとiPhoneには一定時間ロックしかかけておらず,そうであっても届いたメッセージが通知画面でプレビュー表示されるはずだということに気づきます.マッハでもう1つの携帯電話からiPhone宛に「このiPhoneを拾ってくれた方,こちら090xxxxxxxxにご連絡ください!」とかいう内容のメールを送信しました.
 すぐに連絡がきました,本当にすぐ,マッハです.もう僕の目の前にはお釈迦様の御姿さえ見えていて,ジーザス…!と叫びそうなくらいでした.「あの〜,このiPhone夫が拾ったんですけど〜(以下略)」回線の向こうに向かってお辞儀を繰り返す様は周囲の人たちから見てかなり異様だったとは思うんですがその時の僕は喜びでいっぱいでした.というのも,僕のiPhoneを拾ってくれたのはどうやら外国籍の方だったらしく,拾ったものの日本語表示のiPhoneの操作がわからず,とりあえず家に持ち帰って奥さんに判断を仰ごう!と思ったようです,何はともあれ助かった僕のiPhone
 自転車で行けない距離でもないので自転車凸しようかと思ったのですが,ご親切にももう1つ次の駅まで届けに来てくれるということです(夫),これだけで感謝感激なのですが今思うとそんなよくわからない人間に住まいを知られるのは嫌ですよね.奥様いわく「夫はカリブ系なのですぐわかると思いますよ〜」とのこと.スキップするほど喜んで次の駅に向かいました.ファミマで\1,000くらいのお菓子を購入しつつ.
 その駅でしばらく待つと彼が現れました.奥様の言うとおりすぐわかった.「Thank you very much!」と言うも「イエ,ドウイタシマシテ」と返される.お菓子を渡すと彼は固辞しましたが,そういうわけにもいかず「ありがとうございました」とだけ伝えてお菓子を渡し,帰路に着きました.優しい人に拾われてよかったものの,忘れ物常習犯すぎる自分にまたしても自己嫌悪に陥りました.おしまい.

 いろんな人に話すを割と好評価を受ける話,せっかくなのでブログ記事にしてみました.その日にTwitter投下しましたがやはり140文字という制約もある以上,ディティールは削らざるを得ません.そんなような感じで書いてみたものの,無駄に冗長なだけであんまりおもしろくないですね,困ったな…
 *この文章中の団体,人物はすべて実在のものであり,この文章はノンフィクションです.